昔現代短歌をずっと詠んでいたことがありました
なので575の文章を考えるのはかなり慣れていたりします
けっこう楽しいのです

 
1:以下、名無しにかわりまして魔王がお送りします

勇者「おい魔王!今日こそ決着つけてやる!」

魔王「よくぞ来た、よもやここまで到るとは!」

勇者「今回は真面目に戦え、この野郎!」

魔王「当然だ!言われなくともそのつもり!」

勇者「どちらかが果てる時まで戦うぞ!」

側近「あの」


2:以下、名無しにかわりまして魔王がお送りします

魔王「側近よ、何か問題あったのか?」

側近「いえ、大したことではないのですが」

勇者「それならば、最終決戦邪魔するな」

側近「問題というか、ものすごく気になることが……」

魔王「聞いてやる。遠慮しないで言ってみろ」

側近「あの……」


側近「どうしてさっきから5・7・5なんですか?」


3:以下、名無しにかわりまして魔王がお送りします

魔王「それだがな。実は先日雑誌見て」

勇者「二人して、川柳作りにハマってな」

魔王「気付いたら普段の口調に影響が……」

側近「二人とも影響されやすいですよねぇ……」

勇者「だがしかし、決戦自体に支障はない!」

魔王「その通り!いざ始めよう、決戦を!」

側近「はあ。がんばってください」


4:以下、名無しにかわりまして魔王がお送りします

勇者「新しく、覚えた技を食らうがいい!」

魔王「そのような技が私に効くとでも?」

勇者「やせ我慢すると身体に良くないぜ?」

魔王「勇者こそ、そろそろつらいのではないか?」

勇者「何を言う、俺の力はまだまだだ!」

側近(よくもまあ、これだけ続くもんだなぁ)


5:以下、名無しにかわりまして魔王がお送りします

魔王「受けてみよ!我が渾身のメラゾーマ!」

勇者「またそれか、お前それしかやらないな」

魔王「何だって!?じゃあザラキでも唱えるか?」

勇者「それやめて。俺ソロだから詰んじまう」

魔王「仕方ない。空気を読んで戦うわ」

勇者「ありがとう。いつも何だかすまないな」

側近(何だこれ……早くもグダってきてますが……)


6:以下、名無しにかわりまして魔王がお送りします

側近「魔王さま、お言葉ですがいいですか?」

魔王「いいだろう。申してみせよ、側近よ」

側近「魔王とは、曲がりなりにも悪の王。どんな手段も辞さぬものでは?」

魔王「おい側近!?何を言うかと思ったら……」

側近「すみません。やはりですぎたことでした」

魔王「そうじゃない。そこではないのだ問題は」


7:以下、名無しにかわりまして魔王がお送りします

勇者「お前今、5・7・5になってるぞ」

側近「いつの間に!?二人に影響受けたのか……」

魔王「おまけにだ。さっきは短歌になってたぞ」

側近「自分では、まったく自覚なしでした……」

勇者「俺らより、できるぞこいつ。恐ろしい!」

魔王「隠された才能開花か、やりおるな」

側近「そんなこと……買いかぶりです、魔王さま」


8:以下、名無しにかわりまして魔王がお送りします

魔王「よし決めた!今から創作活動だ!」

勇者「俺らなら入賞できる気がするな!」

側近「では私、及ばずながらがんばります!」

魔王「何を言う。お前が一番有望だ」

勇者「でも俺も、負けるつもりはないからな!」

魔王「面白い!勝つのは私だ、見ていろよ!」


側近(あれ?何か……大事なことを忘れてる……気がするけれど、どうでもいいか!)


おわり